院長挨拶
令和5年4月に渕向前院長を引き継いで当院の院長を拝命いたしました。
平成8年からの4年間、震災直後の平成23年4月からの7年間に続いての3回目の当院への赴任ですので、気仙地域の医療を取り巻く状況について大まかに理解しておりますし、何より当院のスタッフをはじめ地域の関係各位の多くの方々と顔見知りであることを心強く感じており、より理解を深めてさらに連携を図っていきたいと思います。
この3年間はどの地域においても新型コロナウイルス感染症への対応に多くの労力を割かれました。当院においては呼吸器内科や感染症科の専門科医師が不在であるなか、病院職員が一丸となって対応してまいりました。この5月からはコロナの感染症法上の位置づけが変わりますが、今後も適切な対応を継続していきます。
当院は気仙地域の中核病院であり、救命救急センターが併設され、災害拠点病院、地域周産期母子医療センター、地域がん診療連携拠点病院等の役割を担う急性期病院でありますが、同時に各科外来診療や緩和医療も行っており、今後も幅広い役割を果たしていきたいと考えております。
気仙地域は他地域に比べて高齢化率が高いのですが、医療人の充足率が低く、高齢者や在宅支援の医療資源が不足しているのが現状です。気仙医療圏における地域包括ケア体制をより良いものにするため、医療だけではなく介護や福祉、保健との連携をさらに推進することも当院の大事な役割になります。
当院の理念として掲げております「優しさと信頼のある医療の実現」をまさに実現するため、スタッフ一同最善の医療を提供する努力を継続してまいりますので、引き続き皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年4月
岩手県立大船渡病院長 中野達也