岩手県立大船渡病院

放射線技術科

放射線技術科のご案内

放射線技術科(撮影室)

 はじめまして大船渡病院 放射線科です。 私たち放射線科スタッフは、技師長をはじめとして男性技師12名、女性技師2名、看護師2名、事務員1名の計17名で皆さまに安心して検査を受けて頂けるよう

『高い安全性を確保しながら患者中心のチーム医療に貢献します』

を基本方針に掲げ、具体的な取り組みとして医療事故防止の徹底や医療機器及び装置の保守管理による安全で良質な医療の提供、さらに接遇の向上や待ち時間解消等を含めた満足度の高い医療サービスの提供、研修を今まで以上に充実させ技術の向上を目標に取り組んでおります。

放射線とは?

 私達が一口に放射線と呼んでいるものには、病気の診断・治療などに使われているX線、放射性物質から出てくるα線・β線・γ線、地球の外から飛来する宇宙線、そのほか特殊な装置で作られる電子線・陽子線・中性子線などがあります。

 

 放射能とは、放射性物質が放射線を出して、別の物質に変わってしまう性質のことです。また、自然界に存在する放射線を自然放射線、人類が作り出したものを人工放射線と言うこともあります。

 

 放射線は、その種類やエネルギーにより、程度の差はありますが、次のような性質があります。

  1. 物質を透過する性質(透過作用)。
  2. 物質を透過するさい、その物質を作っている原子や分子にエネルギーを与えて、原子や分子から電子を分離させる性質(電離作用)。
  3. 物質にあてると、その物質に特有な波長の光を放出する性質(蛍光作用)。
  4. 写真フィルムを感光させる性質(写真作用)。

 透過作用、蛍光作用、写真作用を利用してX線検査、X線CT検査が行われます。電離作用により細胞の増殖を抑え、かつ壊死させる作用を利用して放射線治療が行われます。

 

 

放射線の単位は

 人体や物質に対する影響を評価するため、放射線に関する単位が定義されています。

吸収線量
Gy(グレイ)

放射線のエネルギーが、どれだけ物質に吸収されたか。
吸収線量   1Gy(1,000mGy)

線量当量
Sv(シーベルト)

人体へおよぼす影響はどのくらいか。
線量当量   1Sv(1,000mSv)

 

 

放射線被ばくについて

自然界の放射線と放射線検査 

私たちは、ずっと昔から自然界にある放射線に囲まれて生活しています。大地からの放射線、空から降り注ぐ宇宙線、空気や食物に含まれる微量の放射性物質など様々な自然放射線によって、日本人は平均で年間2ミリシーベルトほどの被ばくを受けています。この自然放射線は地域差が大きく日本の十数倍の自然放射線のなかで暮らしている方々も多くいらっしゃいますがこの方々が被ばくによる影響で健康を害するという報告はありません。

また身近なところでは検診などで行う胸部X線撮影1回で0.06ミリシーベルト程度、飛行機での旅行は宇宙線を地上より多く受けますので東京・ニューヨーク間を往復すると0.2ミリシーベルトほど余計に被ばくすると言われています。

このように意外と身近な放射線ですがある程度以上の放射線被ばくはやはり健康に影響を及ぼします。多くの研究によって100ミリシーベルト以上の被ばくでは発がんや遺伝的影響などの何らかの健康への影響が現れる可能性があると言われています。病院での放射線検査のなかで最も放射線被ばくが多いと言われているCT検査でも5~30ミリシーベルト程度ですので1度の放射線検査で健康への影響を心配する必要は無いと考えられています。繰り返し検査を行う場合でも検査により病気や怪我の治療に役立つ事が被ばくのリスクを上回る場合に検査を行っています。

 

放射線検査および医療被ばく相談

放射線技術科では、放射線検査の説明や医療被ばくの相談を受け付けています。検査につてわからないことや不安なこと、被ばくなどの心配な事がありましたら放射線技術科または患者相談窓口へご相談下さい。

 

日常生活と放射線

 私達は、大地や建物の壁材からの放射線、地球の外から降りそそいでいる宇宙線、人間の体内や食べ物に含まれている自然放射性物質、空気中のラドン等を含む自然界から、様々なかたちで避けることの出来ない自然放射線を受けています。 自然界から私達は、全身に平均すると一年間に2ミリシーベルトの放射線を受けています。
  X線検査を自然放射線一年分と比較した場合、胸部X線写真一枚は、約20分の1の量ですので、いかに少ないかがわかるのではないかと思います。 自然放射線の量は、地域によって大変異なります。大地からの放射線による影響の多いブラジルやインドのある地域は、日本の数十倍を越えるところも少なくありません。しかし、その地方に障害が多いとか、病気が多いという報告はありません。

 

 

装置紹介

 

本院装置

装置名

台数 

一般撮影装置

3台

乳房X線撮影

1台

骨塩定量装置

1台

80列マルチスライスCT

1台

2列マルチスライスCT

1台
(治療位置決め用)

血管撮影装置(バイプレーン)

(フラットパネル搭載DSA3DCT撮影可能)

1台

X線TV装置

3台

1.5テスラMRI

1台

RI装置
(2検出器ガンマカメラ)

1台

放射線治療システム

1式

 

 

救命救急センター

 装置名

台数

一般撮影装置

1台

X線TV装置

1台

80列マルチスライスCT

1台

血管撮影装置(バイプレーン)
(フラットパネル搭載DSA 3DCT撮影可能)

1台

 

 

その他

 装置名

台数

三次元画像作成ワークステーション

6台

外科用イメージ

2台

回診用ポータブルX線撮影装置

4台

マンモグラフィー検診施設・画像認定

2020年取得更新

 

各種認定状況

 資格名

所持人数

第一種放射線取扱主任者

1名

検診マンモグラフィー撮影技術認定

2名

デマンモグラフィー品質管理講習受講者

1名

X線CT認定技師

2名

放射性医薬品取扱ガイドライン講習受講者

2名

塩化ラジウム安全取扱講習受講者

4名

日本医療情報技師

1名

 

最新機器紹介 

マルチスライスCT

 本院及び救命センターの2台のMSCTにて、ダイナミック撮影や3次元CTの撮影ができ、6台のワークステーションにて脳血管や心血管などの3D画像作成が可能。

 フラットパネル搭載DSA

 15×19inchの大口径フラットパネル搭載にて、体幹部から下肢の広範囲を歪み無く撮影でき、フラットパネルを回転させることでで得られる3次元画像で血管の確認をしながらインターベンションが可能。

頭頚部回転DSAにて、1度の撮影であらゆる角度から確認できる。

 

 1.5TMRI

 放射線を使用しないため被曝することなく、造影剤を使用しない血管撮影(MRA)やダイナミック撮影など全身の様々な検査ができ、さらに備え付けワークステーションによる種々の画像解析も可能。

 

 

 

撮影室の様子

MRI(核磁気共鳴映像装置) 

     

80列マルチスライスCT(コンピュータ断層装置)

 

DSA(血管造影)装置

 

乳房X線撮影装置(マンモグラフィー)          画像処理装置

   

 (更新年月日:令和2年1月9日)

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